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松本人志 復帰が難しい理由 復帰をさまたげる懸念点って。でもファンは復帰を待っている

ダウンタウン松本人志が1月8日に活動休止した性加害疑惑は、所属の吉本興業が「事実無根」とし、法的措置を伝えた中、報道した週刊文春が多数の参加女性の証言を続報、さらに後輩芸人たちが松本のために性行為目的で女性を集める「SEX上納システム」が長年行なわれていたと伝えた。

まるで“女衒役”のように伝えられるスピードワゴン小沢一敬も当初、「何ら恥じる点がない」としていたが13日、活動自粛を発表。

報道を前に、芸人サイドに旗色が悪い展開が見られた。松本の「事実無根」を信じるファンや芸能人たちからは、テレビ復帰を待つ声も上がっているが、当のテレビ側の人々は「復帰」についてどう見ているのか、関係者に聞いてみた。

「さすがに厳しい状況ですね」という第一声だったのは、松本が出演する番組の仕事が長かったディレクター。

渡部建さんの不倫スキャンダルともまったく違いますからね、これは。被害者がいるっていう話なので、たとえテレビが良くても番組のスポンサー企業が許さないレベルのことです」

ここまでことが大きくなった要因のひとつには、松本の「仕事」にもあったとディレクターは言う。

「松本さんはお笑いタレントの枠を超えて、ワイドナショーで報道をやったり文化人の枠に入ってたのも大きいです。これがお笑い・バラエティーだけしかやっていない人だったら、もうちょっと印象が違ったのではないかと思います。

10年ぐらい前、橋本聖子議員が高橋大輔に無理矢理キスをした話をワイドナショーで取り上げたとき、松本さんは『議員をやるにはそれぐらいのパワーがいる。そのパワーをもっと世界に向けて使えばいい』と言っていました。

そういう話も蒸し返されてしまう。急にスキャンダルで全番組を放りだしたのも、本来は仕事放棄で無責任なことなので、松本さんが復帰しますと言って、テレビがハイどうぞって歓迎できないですよ。番組スタッフは良くても、局のメンツがあると思います」
 

では、実際に番組キャスティングに携わっている人はどう見ているか。

クイズやトークなどバラエティー番組などで出演者の人選をしてきたテレビプロデューサーに聞いてみた。

「テレビでの起用は、番組側と本人側の合意で行なわれるんだけど、松本さんが裁判に集中するとおっしゃった以上、裁判が終わるまではで仕事できなくなったということになるよね。ただ、長引くと予想される裁判が早く終わる可能性もあると思う。和解という形で…」

このプロデューサーは「テレビ復帰を目指すなら、和解決着が一番早い」とまで言う。

「勝訴・敗訴より、和解になれば起用できると思う。ジャニーズ問題ではないけど、告発者には条件非公開で賠償をするとか、お金で解決できれば早い。できれば文春は入れず、吉本興業が女性証言者と直接、和解の話をするのがいい」

はたから見れば「金で黙らせるのか」というようにも受け取れるが、和解内容を一切、外に漏らさなければ何も断定されないまま終わることにはなる。

それでも、「事実無根」と啖呵を切った松本サイドにスッキリしないものが残る。

「そりゃいまは大騒ぎでも、日本人は飽きやすいから、1~2年後だったら空気もまた違うでしょう。テレビ側も視聴率が取れるなら何でもやる世界だし、松本さん復帰となればデカい山になるんだから、局もスポンサーもゴーサインを出すと思うけどね」

復帰となれば「番組は慎重に選ぶことになる」と言う。

「間違いなくベストなのは相方の浜田(雅功)さんのいる場所。浜田さんが相棒を待っていたという感動のシーンを作ることだってできる。トークにしたって、復帰する松本さんをフォローできるのは浜田さんしかいない。実際、松本さんのレギュラー番組の中には、それを期待して番組を継続させたいところもあると聞くからね」

一方、この意見に対して「そんな簡単な問題とは思えない」と見る放送作家もいる。

「いま続報がどんどん出ていて、SEX上納システムとか、松本さんひとりの問題でなくなってきてますよね。組織的な性加害問題はジャニーズと似ていて、吉本興業の事業にまで影響するような話になりつつある。そうなると吉本も松本さんを切るしかなくなりますよ。いつかは復帰できるかもしれませんけど、そんな簡単な問題じゃないからこそ、松本さんも活動停止したわけですから」(放送作家

前出プロデューサーの和解案にも、この放送作家は「下手に和解なんてしたら、続々と賠償を求める女性の行列ができかねない」と言う。

「それこそジャニーズ問題みたいになってしまう。すでに文春で女性が7人も出てきてて、もし本当に長年の性加害があったというなら、何十人も名乗りを上げてくる事態だってあるわけでしょう。松本さんだけじゃなく、他の芸人さんも含めての話、で。これが飲み会自体もウソで、文春と女性たちが全員、ウソの話をしていたというぐらいなら話は別ですけど…」(放送作家

ほかにも数名のテレビマンに話を聞いてみたが、「裁判の結果次第では」という意見が多かった。

「裁判で女性に性行為の強要はなかった、とハッキリ言われるぐらいの勝訴なら、復帰に問題ないですが、負けたらテレビは一生無理というぐらい厳しいことになるかもしれません」(情報番組プロデューサー)

「ここまでの事態になると、もし復帰するにしても、テレビ局としては記者会見で松本さんがちゃんと説明することを求めるのでは」(フリーランスのアシスタント・プロデューサー)

過去には先輩の芸人、島田紳助暴力団問題で完全引退となった例もある。いずれにしても、テレビ業界はこの問題を深刻に見ているという印象だ。
 
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