「9月下旬にファンクラブの会報が届いて、ディナーショーのスケジュールが掲載されていました」
と、古参の聖子ファン。
「東京は12月14日から4日間。会場はいつもと同じグランドプリンスホテル新高輪です」
やはり、ファンにとってディナーショーは特別で、
「聖子ちゃんのイベントの中で一番高額だし、席によってはとても近くで聖子ちゃんを観られる。ここでしか聴けない曲もあります。チケットはすぐ完売。今はネット予約ですが、かつてはホテルに電話して予約するしかなく、発売日には友人を動員して電話をかけまくったものです」(同)
時にはサプライズも。
「聖子ちゃんのお母さま(91)がロビーで客を出迎えることもあります。声をかけるとお話しできるし、写真撮影にも応じるほどフランクなんです」(同)
最も高い部屋は約23万円
なるほど、なんともスペシャルな催しである。が、今年はいささか気にかかる点があるのだとか。
「宿泊付きチケットで用意されている客室が、昨年と今年で異なるのです」(同)
宿泊付きチケットとは、全国からやってくるファンのために、5万2000円のディナーショー代に加え、1泊分の室料や朝食代なども込みになったチケットのこと。昨年は2種類あり、よりラグジュアリーな部屋のチケットは22万8700円(2名)だった。
「今年は1種類のみで、22万9884円。値段はほぼ変わりませんが、客室が14平米ほど狭くなっている上、間取りや内装に、昨年ほど高級感がないのです」(同)
ディナーショー代は変わらず。ということは、ホテル側に事情がありそうだ。
「ビジネスホテルのシングル1室分」
「14平米はビジネスホテルのシングル1室分ですね」
そう解説するのは、淑徳大学教授で旅行ジャーナリストの千葉千枝子氏。
「インバウンドの増加で需要が高まっている上、物価の高騰、さらに業界の人手不足などにより、ホテルの料金はこのところ上がり続けています。昨年と比較しても、一般的に今年は1.2~1.5倍、客室単価が上がっている状況です」
昨年と同じ部屋にすれば値上げは避けられない。値上げか“格下げ”か。苦渋の決断として、後者が選ばれたとみるのが妥当だろう。庶民を苦しめる景況が、思いがけず聖子のショーにも影響を及ぼしているわけだ。
ショーの問い合わせ窓口となっているホテルに、事の次第を尋ねるも、
「当ホテルからの回答は控えさせていただきます」
「“聖子ちゃん、ありがとう”と思うファンが多い」
先の古参ファンが言う。
「客室については昨年と同じグレードを期待すると“なんかちがう……”と感じるかもしれませんが、そもそも熾烈(しれつ)なチケット争奪戦の末に、聖子ちゃんを観られるのがありがたいこと。部屋のことで文句なんか言えば、行けなかったファンに怒られます。値上げされなくて“聖子ちゃん、ありがとう”と思うファンが多いと思いますよ」
ファンの間で「一般チケットより良い席にしてもらえる」とウワサの宿泊付きチケットは、今年も発売日に売り切れ。この勢いで“不況”を乗り切れるか。
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