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ドイツ発の「デジタルコンドーム」性行為における同意をアプリ上で記録する

マッチングアプリでの出会いや、SNSでの告白……スマホが織りなす恋愛模様は、もはや私たちの日常と切り離せない。しかし、テクノロジーの進化はリベンジポルノ同意のない性行為の撮影など、ときに新たな影を生み出すこともある。

今、これらの問題に「デジタル」の力で対抗しようとする試みが始まっている。

ドイツ発祥「デジタルコンドーム」その仕組みとは・・・

 

ドイツ発の「デジタルコンドーム」。それは、性行為における同意をアプリ上で記録する、今までにない試みだ。

「SCREENSHOT Media」によれば、安全な性行為を促進するブランド「BIILY BOY」と広告代理店「Innocean Berlin」のコラボによって生まれたアプリ「CAMDOM」が、それにあたるらしい。性行為の前に、パートナー同士で同意を確認し合うことで、無断撮影や拡散のリスクの削減を目指しているという。

撮影の可否やSNSへの投稿の許可など、同意の範囲は多岐にわたり、デジタルの力で「同意」を可視化することで、従来の曖昧な同意のあり方に一石を投じる存在として注目されている。

ご存知の方もいるかもしれないが、じつは昨年、日本でも同様の機能を搭載したアプリ「キロク」がリリースされた。同意のない性行為による混乱を防ぐ画期的な施策であったが、いっぽうで「質問が何個も何個もっていうのがめんどくさい」「その間にシラけてくる」といった否定的な意見が多かったのも事実。

しかし、これらのアプリは単なるアプリ開発の枠を超え、"安全な性行為"の概念そのものを拡張する可能性を秘めている。性感染症の予防だけでなく、デジタル時代に合わせた新たな倫理観の構築に貢献するかもしれない。

さらに、近年性犯罪に関する法整備は進んでいるものの、被害者が泣き寝入りを強いられるケースは依然と後を絶たない。そうしたなか「CAMDOM」は、性犯罪の抑止力となるだけでなく、性教育の現場においても有効なツールとなりうる。若いうちからデジタルツールを活用した同意のあり方を学ぶことで、健全な性意識を育むことができるのではないだろうか。

デジタルコンドームは対話への第一歩となるか?

デジタル化が加速する現代において、このアプリの存在は私たちに重要な問いを投げかける。テクノロジーは、どこまで私たちのプライベートな領域に介入していくべきなのか。真の「同意」とは何か。そして、デジタル社会における理想的なパートナーシップとはどのようなものなのか……。「CAMDOM」をきっかけに、自分自身と、そしてパートナーとの関係性について改めて考えてみてはどうだろうか。