人気絶頂のときに長渕剛と結婚
アクションから寅さんのマドンナ役まで、どんな役も自在にこなす演技派俳優だった志穂美悦子さん。
シンガーソングライターの長渕剛さんとの結婚を機に芸能界を離れ、専業主婦になった。当時は「もったいない」という声も多かったのでは?
「ありがたいことに、俳優として順風満帆な時期でした。でも私は新たに挑戦することが好きなんですね。結婚・出産・子育ても私にとっては新しい挑戦。ワクワクするほうに自然と進んでいたのです」
長渕剛の「夫婦は同じ夢を見るべき」という言葉がもたらしたものでも本心では、「そのうち俳優の仕事に戻れるだろう」と思っていたそうだ。ところが……。
「夫に『1つの家庭に2つの光はいらない』と言われたんです。夫婦が別々の夢を見るのではなく、1つの夢を家族みんなで追いかけるのが結婚だ!って。えぇ?と思いましたが、そんな人を選んだわけですから、しかたがないですよね(笑)」
言葉どおり、全力で家族を愛する夫だった。3人の子どもの出産には立ち会った。近所の公立小学校に子どもを入学させ、参観日にも欠かさず出席。運動会は他のみんなと同じブルーシートに座り、家族そろってお弁当を食べた。一方で、「心がズタズタにされたことは、一度や二度じゃない(笑)」とも話す。
傷つけられることは結婚前から予期していた
「でもそれは、結婚する前から予想していたことです。私ね、危険だと知っているのに飛び込みたくなる性質(たち)なんです(笑)。アクション俳優時代は、9階のビルから隣のビルにロープを渡ったことも、ヘリコプターにも、ロープウェイにもぶら下がったことがあります。それと似ているんでしょうね」
夫は自分を成長させてくれる存在でもあった。
「結婚後、夫は革新的に音楽界に攻め込んでいきました。今思えばですが、ちょっと風変わりで予想がつかない天下無双な人でしたから、そんな稀有な芸術家と一緒にいたのはいろんな学びがありましたね」
┗故千葉真一主宰のジャパン アクションクラブに所属 し、日本人初の女性アク ション俳優として人気に。「毎日が命がけでした(笑)」
引用記事: